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まず最初のコーナーはこちらです!
研究者のエッセイ本ってあんまりないですよね!この本をつくってみて、研究者魂がエッセイの書き方にも表れているな、と感じたことがあったのでご紹介します。
まず最初に「注」が多いということ。一般に論文を書くときには注釈といって、特定の単語の詳しい内容や予備的な知識、文献情報などを紹介するのですけど、エッセイにもそれが多かったです。はじめて原稿をいただいたときには、「この注の多さ…どうしよう…」と途方に暮れたものですw その結果、本文の下に注を書くスペースをもうけて、北野先生の「こんな研究者にだれがした?」にあるような「呻き」にしてみたり、著者注として入れることにしました。まあ、おそらく非研究者にはわからない単語も多かったので、結果としてよかったと思っています。
今回応募してくださった先生方の中には、エッセイが「序」から始まり「考察」があり、「おわりに」があるという論文らしい構成になっている方がいました。実は日本の研究者出版の代表も博士号もちであるため、この書き方にはとても親しんでいます。しかし!!非研究者にも向けてつくられた本書でそれをやっていいものか…ここらへんは結構悩みましたw 「一週回って面白いのでは?」と思い、研究者とは縁遠い生活をおくっている友人に聞いたところ、なんと返事は…「ぜったいだめでしょ…」という痛烈な返しが…初見のイメージがカタすぎてそもそも中身を読んでもらえないとか。ほかにも編集方針的に変えたい場所などがあって、そこは話し合いで変更してもらいながら進めました。
率直に言うと、この研究界への愛と恨みの感情はわかるのですよね。だって、みんな頑張って苦しい思いをしながら業績残して日本の科学技術・知識の向上に文理関係なくかかわっているのに、生活は安定しないし、日本の研究者は海外に比べて大したことないとか、好き勝手やってるのだから苦しくてもいいでしょとか世間からいろいろ言われたり、さらに研究者同士でもそんなことがありますし…「実はぜんぜん裕福じゃない」というのが若手研究者の大多数の感想じゃないでしょうか。今回のエッセイにはその愛と恨みが表れているのが多く、とても共感しながら編集しました。実は弊社代表も、国立大学の助教に採用され着任が決まっていたのですが、採用前に言っていた条件と採用後に提示された条件が食い違っていたり、研究できる時間が思ったより少なかったり、さらにこの出版業を止めなければならないということになってしまったため、違う道を選んだんですよね。
まあ、だから北野先生の「呻き」は、結構いろんな研究者が共感できると思うんですよね。てか北野先生のエッセイ、まさか年収とか時給とか、少なくない研究界の人々が知られたくないと思って、あまり表に出ない数字が赤裸々に書かれているので最初はめちゃくちゃおどろきました。「あ、書いちゃった」と、最初はそう思いましたw でも、別に隠さなきゃいけないことでもないし、いいか。そう思ってそのまま掲載しました。でもあまりにも先生の「呻き」が多すぎて、言いたいことはわかるのだけどスペースにおさまんねーよ!!となり…購入者ページを用意してそこに載せようと思いました。というわけで、こちら、全文です。
また、研究者が生活していく環境を整えることの難しさと社会的・組織的な対応の必要性も指摘できるでしょう。研究が単に暇な時に物思いに耽っているだけではない、という研究者にとっては至極当たり前の事実は研究について知らない方には受け入れがたいことかもしれません。しかし、研究を進める過程で何らかの結論めいたものを導き出そうとすれば当然疲労困憊してクタクタになりますし、その作業を続けていこうとすれば日々きちんとした生活を送らなければなりません(院生の時は二徹三徹がカッコいい!なんて思っていましたが、今は全く良くない事をしていたものだと後悔しています)。また、お金がかからない(と見なされがちかもしれない)文系の研究においてさえ、研究を行おうとすれば多額の資金が必要になりますし、その資金を得る事の難しさは私のような専業非常勤の研究者はもちろん、専任教員の方々もよくお分かりだと思います。はたして、今のままのやり方で日本の研究に未来はあるんでしょうか?
まあ、こういう思い、少なからず多くの人がもってますよね!
エッセイを書いていただいたあとに、状況が変わった方もいるようです。簡単に載せておきます。
下山エリーさん(研究者の配偶者)「研究者ドラマスペシャル 異業種の妻は見た!」
●エッセイでは復職して、別居生活になる予定だったが、新型コロナの影響で夫婦ともにリモート業務に。そのため、今も一緒に住んでいる。なお、第三子を妊娠中。
別所-上原 学先生「結婚式はウエディング姿で研究発表」
●エッセイでは夫婦で米国にいましたが、現在は日本に帰国し、それぞれ名古屋大学・東北大学で研究者として別々に暮らしている。なんと、米国にいたときは同居していたのに、その後別居になってしまっていたとか…(奥さんのエッセイは、来月あたりに刊行される『研究者の子育て』に掲載されています)
研究者の結婚生活ってほんと…別居の危機にあふれてますね…
#研究者の結婚生活面白かった
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※当選者には、『研究者の子育て』出版後にTwitterより連絡させていただきます。
#代表とごはん食べたい
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